(業界ニュース13)★法改正 2026.10月から何が変わる?社会保険・労働関係の法改正を解説
- お知らせ
2026年10月から、企業の人事・労務管理に関係する制度がいくつか変わります。
特に注目したいのが下記5点です
1. 社会保険の「106万円の壁」の見直し
2. パート・有期雇用労働者への対応
3. カスタマーハラスメント対策
4. 求職者に対するセクハラ対策
5. 安全衛生面でも個人事業者等への対応
今回は、2026年10月からの主な変更点を、企業の実務という視点から整理します。
1.社会保険の「106万円の壁」の見直し
短時間労働者の社会保険加入について、これまで一定の企業では「週の所定労働時間20時間以上」に加えて、月額賃金8.8万円以上という要件がありました。この月額賃金8.8万円以上という要件が、2026年10月から撤廃されます。いわゆる「106万円の壁」と呼ばれていたもののうち、賃金額による要件がなくなることになります。
そのため、今後は、
・週の所定労働時間
・雇用期間
・学生かどうか
・勤務先が社会保険の適用事業所か
といった点が、これまで以上に重要になります。企業としては、現在「月額8.8万円未満だから社会保険に加入していない」というパート・アルバイトがいる場合、週20時間以上勤務している人をあらためて確認する必要があります。給与計算や社会保険の資格取得手続にも影響するため、対象者について早めの確認がおすすめです。
2.パート・有期雇用労働者への対応
パート・有期雇用労働者に関する労働条件の明示や雇用管理についても見直しが行われます。特に重要なのが、待遇差に関する説明を求めることができる旨の明示です。パート・有期雇用労働者については、正社員との間に基本給、賞与、手当、福利厚生などの待遇差があるケースがあります。
企業としては、
「なぜ正社員には支給される手当がパートには支給されないのか」
「なぜ賞与の支給方法が違うのか」
といった質問を受けた場合に、その理由を説明できる状態にしておくことが重要です。この機会に、正社員とパート・有期雇用労働者との待遇差について、改めて整理してみてはいかがでしょうか。
3.カスタマーハラスメント対策
2026年10月からは、カスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」への対応が事業主の義務となります。カスハラとは、顧客や取引先などからの言動のうち、その内容や態様などから社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害するものをいいます。
企業には、例えば、以下のような対応が求められます。
・カスハラに対する基本方針の明確化
・従業員から相談を受ける体制の整備
・カスハラが発生した場合の適切な対応
・被害を受けた従業員への配慮
・再発防止
・従業員への研修・周知
特に、介護・福祉、医療、飲食、小売、サービス業など、顧客と直接接する機会の多い企業では、対応方法を事前に決めておくことが重要です。「問題が起きてから考える」のではなく、誰が、どのように対応するのかをあらかじめ決めておくことがポイントです。
4.求職者に対するセクハラ対策
2026年10月からは、在職中の従業員だけではなく、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止措置も事業主に求められます。採用面接や会社説明、インターンシップなど、採用活動の場面でもハラスメントが起こる可能性があります。そのため、採用担当者に対して、採用活動においても適切な対応をするよう周知しておくことが必要です。特に、面接官や採用担当者への研修・ルールの周知は、今後ますます重要になるでしょう。
5.安全衛生面でも個人事業者等への対応
労働安全衛生法関係でも、個人事業者やフリーランス等に関する安全衛生対策が進められます。
企業が従業員だけでなく、業務を一緒に行う個人事業者等についても、安全衛生上の関係を確認する必要が出てきます。特に建設業など、個人事業者や一人親方等と一緒に作業する機会の多い業種では注意が必要です。「雇用契約を結んでいないから安全衛生管理の対象外」という単純な考え方ではなく、実際の業務内容や作業環境を確認することが重要です。
まとめ
施行日に備え、対象者の洗い出し・規程や書式の確認・従業員への周知までを早めに進めておくことが、企業の実務上のポイントとなります。
