よくあるご質問㊶育休復帰後の降格は違法?「不利益な取扱い」に注意
- お知らせ
育児休業から復帰した社員を、会社が以前の役職から降格させた場合、法律上問題となることがあります。
育児・介護休業法第10条では、労働者が育児休業を取得したことなどを理由として、解雇その他の「不利益な取扱い」をすることを禁止しています。降格や賃金の引下げも、育休取得を理由とするものであれば、違法となる可能性があります。
津地方裁判所令和8年3月27日判決では、店長として勤務していた男性が、2度目の育休から復帰した直後に副店長へ降格されました。基本給は引き下げられたものの、当初は調整手当で補填されていましたが、約3か月後にこの手当も打ち切られました。
裁判所は、復帰直後に元の役職へ戻すことが難しい事情があり得ることは認めつつも、3か月経過後も店長相当職に戻せない合理的な事情があったとは認めませんでした。また、会社が復帰後の配置を事前に十分検討していなかったことなども考慮し、降格は育児・介護休業法第10条に反する「不利益な取扱い」と判断。会社に対し、調整手当等に加えて慰謝料100万円の支払いを命じました。
育休復帰者の配置変更がすべて違法になるわけではありません。しかし、育休復帰者の配置変更が必要な場合、「育休を取得したから降格した」と受け取られないよう、業務上の必要性や人選の合理性を明確にし、復帰前から配置・待遇を検討しておくことが重要です。
