(業界ニュース)2019年4月から義務化 「年5日間の有休取得」
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12/26(水) 9:26配信 YAHOO!ニュースより
2019年は亥年。年が明ければ、新たな法律・制度もスタートする。10月の消費増税ばかりに目が向きがちだが、他にも見逃せない変更がある。1回目は労働基準法改正をはじめとした「働き方改革関連法」だ。
5日も有給休暇が取れるの? これまで有休とは無縁だった中小零細企業に勤めるサラリーマンには朗報だ。
政府がゴリ押しした高度プロフェッショナル制度(高プロ)は残業代ゼロ、働かせ放題と言われるが、同時に成立した改正労働基準法により、「残業時間の上限」や「月60時間を超える残業の割増賃金の拡大」なども始まっていく。
中でも注目なのが、4月1日に始まる「年5日の有給休暇取得」の企業への義務化だ。有休が10日以上ある労働者に対し、「必ず5日以上休ませてください」と国が大号令をかけたわけだ。
違反した企業には、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金というオドロオドロシイ罰則もある。
有休消化率については、99.6%のホンダのような羨ましい会社もあるが(平均は49%)、町のパン屋さんではこうはいかないだろう。というより、パン屋さんに有休があること自体を知らない人も多いのではないか。有休は、週1回しか働いていないパートやアルバイトにも与えられる。奥さんやリタイア後の高齢アルバイトも例外なく、すべての労働者の権利なのだ。
「奥さまのパートでも条件さえクリア(例=週4日勤務を3年6カ月以上)すれば、年間10日の有休が与えられます。事業者は来年4月1日から、それらの人に5日の有休を取得させる義務が生じるわけです」(東京労働局労働基準部監督課)
■それでも休ませてくれなかったら?
正社員やフルタイムの契約社員は、入社後6カ月で年10日の有休の権利が発生する。人手不足の中小零細企業勤め人の中には、「有休なんか取ったこともない」というケースもあるだろうが、これからは堂々と休んでいいわけだ。ただし、労働者が「〇月×日に休みます」と告げれば所得できた普通の有休と違い、義務の有休は社長(使用者)が社員に希望を聞き、互いに話し合って休みを決めることになる。
「これまで有休が取れなかった人にとってはメリットが大きいでしょう。もっとも、自分が休むことで他の社員の負担が増すのでは本末転倒ですし、これを理由に休まない人もいます。ならば、皆で協力して生産性を上げていくしかありません。1日に10分のムダな仕事をなくせば、2・5カ月(50日)で約8時間分になる。これなら年5日、大手を振って社員全員が休めます」(特定社会保険労務士・稲毛由佳氏)
だが、それでも会社が有休を取らせてくれなかったらどうするか。
「法律違反があれば、お勤めされている事業所の所轄の労働基準監督署に申告してください」(前出の東京労働局担当者)
よくよく考えれば年に5日の有休というのはショボイが、それでも一歩前進か。