今さら聞けない労務の豆知識⑨ 働き過ぎは脳疾患と心疾患を引き起こす原因です!
- BBコラム
厚生労働省は、脳疾患・心臓疾患に対して労災に当てはまるケースを基準によって定めています。
厚生労働省が定める脳疾患・心臓疾患の労災基準
脳内出血やくも膜下出血・脳梗塞・高血圧脳症、および心筋梗塞、狭心症、心停止、解離性大動脈流などの病気には、その発生した近接時に起こった負荷や業務の果汁性に対し、労災の発生基準を設けています。異常な出来事と短期間・長期間の過重勤務(働き過ぎ)に分けて判断基準が定められています。
異常な出来事
例として、下記が挙げられています。前日までに下記の出来事が起こった場合、労災との関連性が認められるとされています。
・極度の緊張、興奮、恐怖、驚愕等の強度の精神的負荷を引き起こす突発的または予測困難な異常な事態
・緊急に強度の身体的負荷を強いられる突発的または予測困難な異常な事態
・急激で著しい作業環境の変化
短期間の過重勤務
おおむね1週間以内に起こった出来事について下記の基準が定められています。
・不規則な勤務
・拘束時間の長い勤務
・出張の多い勤務
・交代制・深夜勤務
・作業環境(温度・騒音・時差)が悪い環境での勤務
・精神的な緊張伴う勤務
勤務形態や環境により、大きな負荷がかかった場合に心疾患や脳疾患を発症した場合、労災と認められる可能性が高くなります。
長期間の過重勤務
長期間の過重勤務に関しては、以下の基準が定められています。
・発症前1ヵ月間ないし6カ月間にわたって、1ヵ月あたり概ね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、胸部と発症との関連性が低いが、概ね45時間を超えて時間外労働が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること
・発症前1ヵ月間に概ね100時間または発症前2カ月間ないし6カ月間にわたって、1ヵ月あたり概ね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること