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今さら聞けない労務の豆知識⑦ 固定残業制(定額残業制)のワナとは?

今さら聞けない労務の豆知識⑦ 固定残業制(定額残業制)のワナとは?

  • BBコラム

残業代の一定化は、経営者にとって安定型のための課題です。

よく経営者の方から、「業務手当に残業代を含んでいるので、残業代は払ってないよ」と言う話をお聞きします。長らく、最高裁の判例はありませんでしたが、現在裁判所は以下の判断をしていると思われます。

手当てを残業に含む際の要件 (平成24年3月 最高裁判例より)

1.その旨が雇用契約上も明確にされていなければならない
2.支給時に支給対象の時間がい労働の時間数と残業手当の額が、労働者に明示されていなければならない
3.10時間を超えて残業が行われた場合には、当然その所定の支給日に別途上乗せして残業代を支給する旨も、あらかじめ明らかにされていなければならない

つまり、固定残業制を取る際には

1.基本給と残業手当は雇用契約上(労働条件通知上)明確にしていること。(手当の名称は基本的に問わない)
2.至急時に時間外労働の時間数と手当金額を明確にすること。
※給与明細上基本給と残業手当を項目分けること
3.固定時間数を超えた場合の生産を明らかにすること。

以上の要件が求められます。

ポイント
上記の要件をきちんと満たさない場合は、基本給+残業手当は、法定労働時間内の賃金とみなされて、思わぬ時間外労働の金額を労働者から請求される可能性があります。
特に、退職した社員でも2年間は未払い残業代を請求する権利があります。巨額の請求額にならないように、就業規則(給与規定)のチェックを強くお勧めします。

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伊藤 陽介

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