生い立ち⑤ 伊藤が温泉はじめたってよ
- BBコラム
ある程度の組織の中で、
相応のポジションでそれなりの仕事が
出来ているつもりになってしまうと、
自分の力を試したくなるのは、
世の若者(小僧)の常でしょうか。
そして、今の自分なら何でも出来る!
という根拠のない自信がゆえに、
将来の光り輝く未来しか
見えなくなるのは私だけでしょうか(笑)
商売人を志して、
商売の基本を勉強すべく
商社に入ったつもりが、
いつのまにか
ビジネスマンを目指していた私が、
ついに!
自分で事業を動かす時がきました。
これもご縁なんだなぁとつくづく感じますが、
諸事情により数年ほど営業休止していた
とある雪国にある日帰り温泉を
再開する話が舞い込みました。
これを神の思し召しと受け取り、
今まで培ってきた(何を?)モノを全て投入すれば、
私ならかつて賑わったこの温泉施設を、
かつて賑わったように復活させることが出来ると、
勝手に思い込んでいました。
というのも、
仮に一から温泉施設を立ち上げた場合、
土地・建物の購入費用から
温泉設備の購入費用などなどを見積もると、
ざっと億円単位の金額まで膨むほど
初期投資が掛かる設備産業なのです。
それが、
老朽化による入替が必要な設備購入や
各設備のメンテナンス費のみで
温泉の事業をスタートできるなんて、
なんてラッキーなんだ。
そう思って、なかば勢い半分でスタートしたのでした。
勢いあまって、
その温泉の源泉を使った石けんを
OEMで作ってネット販売もはじめました。
今思うと、
一から立ち上げと比べると大きくはないですが、
それでも相当な金額を投資していましたし、
再オープン後の事業計画も
相当に甘いもんだったと痛感しています。
かつて温泉の営業を休止した理由やその背景を
薄っぺらくしか理解できていなかった私は、
想定していたよりも、
相当に売上が振るわない状況に愕然としたのでした。
時代の変化を感じてビジネスを行うことが
何より大切であること、
自分で事業を行うことの難しさを痛みを
持って勉強することが出来ました。
結果的に3年ほど運営は続けましたが、
諸事情で運営を継続することが難しくなり、
今は営業していません。
でも、
この日帰り温泉の経営で得たものは非常に大きく、
ビジネスを行ううえで、
私の精神的な根幹になっています。
私が言うのもなんですが、
失敗から学んだ多くのことを次に活かすべく、
日々邁進しています!